遺産相続トラブルの例は?
遺産相続は場合によっては家族間の深刻なトラブルに発展することがあります。
本記事では、遺産相続においてよく見られるトラブルの例をあげ解説します。
遺産相続のトラブル
遺産相続のトラブルは法的手続きが複雑であることや、感情的な対立が絡むため、問題が表面化しやすいです。
主なトラブルの例は以下の5つです。
- 遺言書の有無によるトラブル
- 遺産分割の不公平感によるトラブル
- 生前贈与を巡るトラブル
- 遺産の範囲や評価額を巡るトラブル
- 相続放棄に関するトラブル
それぞれを確認していきましょう。
遺言書の有無によるトラブル
遺産相続において、最も多く見られるトラブルが遺言書の有無によるものです。
遺言書がない場合、法定相続に基づいて相続が行われますが、財産の分け方に不満が出ることもあります。
また、遺言書がある場合でも、必要な署名や押印が欠けていたために無効になったり、遺言書に財産の分割割合が明記されておらず、相続人間で揉めるたりすることも少なくありません。
遺産分割の不公平感によるトラブル
遺産分割が不公平に感じられることもトラブルの原因になる可能性もあります。
法定相続人は、それぞれ相続する権利がありますが、財産の内容や額にばらつきがある場合、分割方法を巡って対立が起こりやすくなります。
たとえば兄弟姉妹の一人が親の介護を長期間担当していた場合、その労力を正当に評価されることを望む一方、他の兄弟姉妹は法定相続分に従って平等に財産を分けたいと主張することがあります。
生前贈与を巡るトラブル
被相続人が生前に特定の相続人に贈与をしていた場合、その分が相続財産としてどう扱われるかが問題になることがあります。
特に、不動産や多額の金銭が贈与されていた場合、他の相続人はその贈与を考慮して遺産分割を求めるでしょう。
たとえば、長男が親から生前に自宅を贈与されていた場合、他の兄弟姉妹がその分も含めて相続財産として再計算し、公平な分割を要求します。
遺産の範囲や評価額を巡るトラブル
遺産には現金や不動産、株式などさまざまな種類があり、その評価額がトラブルの原因となることがあります。
特に不動産の場合、相続人ごとに評価額の見積もりが異なり、適正な評価額について意見が対立することがあります。
相続放棄に関するトラブル
相続人の一部が相続放棄をする場合、その手続きや効果を巡ってトラブルが発生することもあります。
相続放棄をすると、その相続人は初めから相続人でなかったことになりますが、遺産の分割協議が始まった後で突然放棄を宣言するなど、手続きのタイミングが問題になることがあります。
まとめ
本記事では遺産相続トラブルの例を解説しました。
遺産相続は家族間で慎重に進めるべき手続きですが、財産の分割や相続の権利を巡ってトラブルが発生しやすい場面もあります。
事前に遺言書を準備し、生前から相続について話し合っておくこと、そしてトラブルが発生した場合には、弁護士の助言を仰ぐことが、円満な相続のために重要です。